俯いた彼女、隠れた表情、剥き出しの白い首筋

次男視点の方がかきやすいかもしれません。…どうしよう…

言われた言葉を飲み込む為にぼんやりと立ち止まった私と彼の間に風が吹きぬける。


「もう秋が近い、この時間、外に出るならせめて薄着はやめないと」
「さっきは出るなって言いましたよね」
「出るなとはいってないよ。
 一人でどこかに行かないでといったんだ」
「あまりご迷惑をかけるわけにはいきません」
「迷惑なんかじゃない。
 仕事とかそういうのでもない。
 俺が守りたいから守るんだ」


ほんのわずかに小首をかしげて、言われことを反芻する。
とたん、何故だか顔が紅くなっていった。
「??……コンラッドさん、何でか顔が熱くなりました」
「それは大変だ。早く戻らなくちゃね」
次の瞬間、肩に担がれてしまった。


「!!!!お、お、ろして、くださ、い!!!」
「嫌?」
「重いんです私!!」
「…いや、物凄く軽いよ。もっと食べた方がいい」
「とにかくおろしてください!!
 ………………スカートなんです……」
「あ、そうか」


荷物のように担がれていたのが横抱きに変わった。
銀色の虹彩をしたきれいな瞳がすぐ近くにある。


「!!!!!!!!!!」



硬直している上に、近距離で微笑まれては手も足も出ない。
俯いた黒髪とそれを見下ろす薄茶の髪が闇の中でゆるく踊る。



「ゆっくり考えて、知っていけばいい。
 君がどんなに多くの人に大切に思われて、好かれているのかを。
 …ライバルが多いのはきついんだけどね」



己を抱えている人の声はこれだけ近くにいてもすぐに暗闇に溶けてしまった。
「なんていったんですか?」
「別に。まぁそのうちもう一度聞かせてあげるよ」


今度はもうちょっと違う言葉でね。



その笑顔に朱色に染まった耳に兄とその婚約者と教育係の騒ぎ声が聞こえてきた。
どんなにおろしてといっても聞き入れてもらえず、彼の腕の中で固まったまま城が近づく。
自分が何か言えば言うほどその腕に力が込められることを感じて既にどうすることも出来ない。


有利に見られたらどうしようとつぶやく私にコンラッドはさらに笑みを深くした。





騒がしい家族の元まで後数分。
起こるであろう騒動を考えて手を握り締めながら
赤面してあのきれいな王佐みたいに倒れたらどうしようと場違いなことを考えていた。

えぇっと今午前2時です。これ以上はちょっと体力的にまずいので一回切ります。
もう一度夜になったらお会いしましょう。


夜です。終わらせました。
もう物凄く無理やりに。これ以上長くしてもなぁって思ったので。
もしHP(を作れて)にのせることが出来たらもっと読みやすくしたいです。
その日が来ればいいなぁ…


ちょっとだけ改定。
結局一人称にしてみました。(9/26 Sun 07:15)